2011年10月5日水曜日

TOCOMゴールドのポジション動向を考える

TOCOMのゴールド、海外市場が下げたことで今朝はまた投げがそれなりの大きさで出て良そうな動きです。やはり節目の水準である4000円を下回るのはインパクトが大きそうです。
積極的に押し目を拾う動き、すなわちTOCOMの対海外市場での割高感が強まるような流れではないので、今日も最近の流れを継続し期中のポジション中心に落ちていくのでしょうか。

最近、TOCOMの期近-期中のポジションが落としやすいだろうと指摘しているのはリーマンショック当時のように期近-期先にかけてのコンタンゴ(順ザヤ)のスプレッドに変化が見られていることによります。
そこで、当時を思い返しながらその理由を解説しておきました。なんか無駄に長くなってしまいましたが・・・。


当時はリーマン破綻前後から各金融機関のCDSのスプレッドが急拡大するようなパニック的な動きが強まるなかでドル需要が高まり、さらにゴールド自体もマーケットが大きく崩れることなく底堅さを見せたことから、これによりゴールドの円ベースで見たスワップは1年物でもオファーベースでマイナスまで低下しました。
で、これをきっかけにアービトラージのポジション解消が加速。さらに株安が加速したことによりTOCOMでも個人投資家のロング解消を急ぐ、投げ圧力が強まったことでTOCOM自体も割安となってしまい先限が対スポットで通常時25-30円程度の割高からディスカウント20円程度割安の水準まで一気にマーケットが激変しました。瞬間では50円近く割安の場面もあったんですよね、たしか。
商社勢はポジションの解消を進めるには、この場合、割高のTOCOMを売って海外市場を買うというオペレーションを行っているわけで、割安のTOCOMを買戻すに伴いアービトラージしている海外ポジションはBorrowingしなきゃならない訳です。
で、当然スワップレートが長短ともマイナスに落ち込んでいるわけですから、Borrowに大きなコストを払ってまでポジションを解消するのが賢明でないと判断すれば、所謂フジヘッジ(TOOCMデリバリーに合わせ海外市場をlending)をベースに考える場合、期近のポジションからポジションから落とすのが最大利益を得ようとする上ではセオリーとなります。(勿論この場合、ポジション解消を進めるのとTOCOMポジションを期近から期先へロールオーバーし、且つ海外市場のポジションをFwd to Fwdでlendingしてどちらがcost面から採算ベースに合うかを判断します)

当時はまだ東工取日報で日ごとの各社のポジションが公表されていたので、誰がどういうポジションを保有しているのか確認可能だったことから、ポジション表見ながら「あー、あそこはもう(ポジション減るの)終わりかな。」みたいなことを取引終了後に勝手に推測してたりしましたが、果たして今はどんな具合なんでしょう、利食い可能なポジションは大方消化したんでしょうか。

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