ゴールド、続伸。NY市場では終盤1700ドル超えまでありました。
特に新たな材料があったわけではないですが、引き続き欧州の債務懸念後退が続くかと思われましたが、この日は欧州サミットへの不透明感が台頭。さらにカンファレンスボードの消費者信頼感指数の低下などが嫌気された格好で株価は下落。来週のFOMCでの追加金融緩和期待などもあり為替相場ではドル安基調が続いていますが、再び質への逃避的な動きが見られたことでゴールドも買い安心感が拡がった格好のようです。他コモディティ市場が比較的堅調だったことも買い安心感につながったといえそうですね。
そんな訳で、オープンからほぼ一本調子の上昇で、午後にはスポットベースでも1700ドルを回復。一応直近のレンジ上限、レジスタンスを上抜きました。ただ、ここ数週間の動向を振り返ってもゴールドETF市場への資金流入は徐々に加速し始めているものの、今後さらに一段の上昇については現時点では懐疑的に見ていくべきではないでしょうか。
明けて26日のアジア市場でもこれまでのところ積極的な買いは見られないようですし・・・。
ちなみに昨日のゴールドETF市場、SPDRが前日に続きまた大幅な残高増となっています。10.59トン増、2営業日で16トン増。ここまでの規模になるとやはり効きますね。
【Price deffence between TOCOM Gold 1st and 6th contracts】
さて、金融市場全体を揺るがす欧州債務懸念に関し、引き続き動向を注視していかなければならないものの徐々に着地点が見え始めているとの見方が拡がり始めていると思われることから、こんなところもたまには見てみたいと思います。
最近まったく目立った動きのないTOCOMですが、リーマンショック直前からの当限(1st)と先限(6th)の価格差の推移です。
過去市場が混乱に陥った際にこのスプレッドは大きく動きました。
TOCOMのゴールドの価格決定に及ぼす影響として、海外市場の価格動向が勿論大きいのですが、それに加えて金利という要因があります。
ドルの調達コストが急激に上がったリーマンショック直後に当限が”火を噴いた”という過去の動きに比べれば今回の動きは明らかに小さなものだということがわかります。
いうまでもなく、フォワードカーブはドル建てゴールドの動向以外に、ドル円の金利も加味しなければならないためCOMEXのサヤ形成と同様の動きには基本的にならないものです。
09年以降、円建てベースのゴールドスワップがそれ以前と比べて低下安定していることや、TOCOM独自の要因としてコンビネーション・オーダーの採用によってスプレッド取引が活発となったことで大きなサヤ変化の動きはなくなりましたが、この期間を見ても当限が先限価格を上回る局面はやはりその後の修正を考えれば”仕込み時”なのかもしれません。
まぁ当限の納会日などを考えるとあまり勧められるトレードではないと思いますが・・・。
0 件のコメント:
コメントを投稿