2011年8月28日日曜日

東工取は活況だろうか

週末の日経に「8月の金取引売買高、5年ぶり高水準」という記事が載ってました。
26日までの8月の1日平均売買高が11万2690枚と前月比8割増え、06年7月以来、約5年ぶりの高水準に。TOCM先物売買高にゴールドが占めるシェアは過去2年4~5割だったが、今月は約7割にまで高まっている、とのこと。
ただ活況ですね、と素直に喜べないこととして、ボラティリティが上昇するなかでHFTが取引量自体を増やしているものの、建玉は増えておらず、前週末時点での総取組高は11万9726枚と年初来の高水準だった6月に比べても1割少ないことを指摘しています。

こういう記事を読んでも、過去との比較は確かに重要ですが、取引時間や形態が大きく変わってしまっている以上、その数字だけで何かを見ようとするのは難しいのではないかと考えてしまいます。
最早ひと昔前のように個人投資家の方が100枚、1000枚という単位で成行注文を出せば、それで商品会社が100万、1000万円の手数料を得られるという状況ではないのですから。商品ファンドなどもジリ貧の様相ですが、こういった市場等を介して長期滞留する資金流入を図る動きを業界全体で活性化するなどの新たな流れが出て来て欲しいものだと思うばかりです。

【中央銀行は強力なバイヤーか】
最近、マーケットのアップサイドのモメンタムがさらに加速度を増すなかで、中央銀行がこの水準でもバイヤーだろう、という見方をよく耳にします。
でも、07年Q4の時点で2万6642トンだった各国合計(IMF、BIS等以外)の保有金準備、足許で発表されている時点で2万7372トンと1000トンも増えてないんですね。これにはIMF等から買った金準備も含まれていることを考えると、確かに昨今のファンダメンタルズを考えれば今後も継続的な買いが見込まれ、それも一度に数万オンス単位を市中で買ってくれば強力でしょうが、30トン、50トンととんでもない大きさの買いがなければ、それでもインパクトとしては金ETFと同程度くらいと見ていていい気がするのですが。

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